このページではステンレス製品について、お客様からよく聞かれるご質問にお答えする場所を用意させていただきました。皆様の知恵袋となれるよう正直にお答えしていきたいと思っておりますので何なりと質問をぶつけてみて下さい。
一番多いご質問です。ステンレスはご存じの方も多いと思いますがStain(錆びる) less(否定形)という文字からも解るように「汚れ(錆び) にくい」という言葉が商品名になっています。
代表的なステンレス鋼は、鉄とクロム鋼そしてニッケル鋼を溶解して造られています。その結晶構造の違いから様々な使用目的に応じて数十種類の素材を溶解しています。元々は鉄ですから赤く錆びてしまうのですが、クロム鋼を混入すると不思議なことに錆びにくくなってしまうのです。それは、クロム鋼が酸素と触れ合うことで被膜を形成して一定以上の腐食を抑制する効果があるからです。
ご質問の内容に戻りますと、ステンレス鋼の種類によって違いはありますが、例えば、 火に強いものは鉄の含有量が多く錆びやすい性質がありますが、水に強いものはクロム鋼とニッケル鋼の含有量が多いものです。しかし、屋外の手摺りや屋根材にもステンレス鋼 が多く使用されるようになってきましたが、設置場所の環境(海からの潮風が吹き込む場合や幹線道路の近隣、鉄道の線路等)によっては、ステンレス鋼を化学的に浸食する場合 があり錆びてしまうケースが見受けられます。こういう環境で使用する場合には、耐食性の優れたステンレス鋼を使用することで解決するのが一番ですが、こまめに水洗いをして いただいた後にカラ拭きをしていただくことで錆を防ぐことが出来ます。
私共にご注文を戴く際には、必ずご使用目的やご使用場所そして環境をお聞きしており ます。お客様には煩わしく感じられるかも知れませんが、状況によってステンレス鋼の材質を選定する必要があるからです。
ケース1:見晴らしの良い海岸沿いにご自宅を建てられたSさんの場合
[ウッド調のベランダにアルミ製の手摺りが付いていましたが、2年程で手摺りが腐食して壊れてしまったケース]
潮風に直接曝されることからステンレス鋼の材質を耐食性に強いものを選定し、木部と の接合箇所に補強を加えて施工させていただきました。
ケース2:幹線道路沿いにお住いのNさんの場合
[玄関前の階段にステンレス製の手摺りが設置されていましたが、手摺りの表面に所々赤く錆が発生していたケース]
幹線道路の側という場所柄、自動車の排気ガスによる酸性雨等の影響によるものと判断 しました。また、表面の研磨がHL仕上げになっていたことで余計に錆が付き易かったと思われます。既存の手摺りには問題ありませんでしたので、現場にて水切れの良いバフ研磨に加工させていただき、雨が降った翌日には水洗いをしていただくことや普段のお手入れ方法等、ご説明をさせていただきました。
ケース3:鉄道の線路脇にお住いのTさんの場合
[ベランダの防水工事を別の業者様にご依頼された際に、ステンレス製の笠木を施工されたそうですが、直ぐに表面の所々から赤く錆が発生していたケース]
線路脇でちょうど列車がカーブにさしかかるという特別な場所でもあり、列車の車輪が線路との摩耗による鉄粉が飛来してステンレス製の笠木に付着し、その部分が赤く錆を発 生している状況でした。気になって雨トヨを覗くと鉄粉で一杯になっていました。
建物の外観上、光沢のあるステンレス板に変更できないとのことでしたので、ステンレ ス板にフッソ樹脂を焼き付け塗装したものに付け替えて施工させていただきました。ちなみに、雨トヨも掃除させていただき、蓋を設置しました。